日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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ラン色細菌Synechocystis sp. PCC6803におけるsll1558の酸性ストレス耐性への関与
*喜多山 秀一
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p. 0941

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抄録
ラン色細菌Synechocystis sp. PCC6803においてsll1558が、pH3.0の酸性ストレス条件下のマイクロアレイ解析によって発現増加する遺伝子として同定された。その遺伝子の0.5h,1h,4hでの相対的な発現レベルはそれぞれ、3.51,6.94,4.05倍であった。また、同遺伝子はD-mannose-1-phosphateをGDP-D-mannoseへと触媒し、N-グリカンの生合成に関与しているmannose-1-phosphate guanylyltransferase(EC 2,7,7,13)であるとアノーテートされている。今回我々はこの遺伝子の酸性ストレス耐性について、sll1558とホモログの関係にある遺伝子sll1496とともに欠失変異体を作製し、酸性ストレスに対する生育の違いを検討した。その結果、sll1558欠失変異体では酸性ストレス培地(pH6.0 BG-11) に対して、野生株と生育を比較した際に有意な差が見られた。さらに、他の環境ストレスに対して調べた結果、塩ストレス培地(pH8.0 BG-11 0.5M NaCl)や浸透圧ストレス培地(pH8.0 BG-11 0.5M sorbitol)においても、同様であった。
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© 2010 日本植物生理学会
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