日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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イネエリシター応答性MAPKカスケードから防御応答反応に至るシグナル経路の解析
*加星 光子高橋 章廣近 洋彦
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p. 0955

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抄録
MAPKカスケードは病原体が持つエリシターの認識から、防御応答反応の発動に至るシグナル伝達において、中心的な役割を担うと考えられている。我々はイネにおいてエリシターにより活性化されるMAPKK、OsMKK4を見出し、OsMKK4を介したMAPKカスケードが制御する防御応答反応について解析を行っている。昨年度までに、活性型OsMKK4タンパク質(OsMKK4DD)によりOsMPK3、OsMPK6が活性化され、一連の防御応答反応(防御応答関連遺伝子群の発現上昇、細胞死の誘導、ジテルペン型ファイトアレキシン、フェニルプロパノイド類の生合成)が誘導されることを見出している。また、osmpk6変異体ではOsMKK4DDによる細胞死は誘導されず、OsMKK4に転写が制御される遺伝子群についても、その大多数について変動幅が小さくなることから、OsMPK6はOsMKK4による遺伝子制御の大部分に関与することを確認している。本年度は、OsMKK4DDの誘導から防御反応につながるシグナル経路の解明をめざし、細胞死、ジテルペン型ファイトアレキシン、フェニルプロパノイド類の生合成のそれぞれの反応について関連が推測される転写因子に着目し、OsMKK4-OsMPK6カスケードとの関連について解析を行っている。
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© 2010 日本植物生理学会
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