日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
会議情報

シロイヌナズナCRLタンパク質細胞内局在の解析
*吉岡 泰角田 亜希子町田 泰則
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 0079

詳細
抄録
シロイヌナズナのCRUMPLED LEAF (CRL)遺伝子は色素体外包膜に局在するタンパク質をコードする核ゲノムの遺伝子である。CRL遺伝子の変異体ではプラスチドの分裂阻害に加えて、植物細胞の分化や分裂方向に異常が観察される。CRLタンパク質は主に色素体に局在するが、crl変異を相補できるCRL-GFPタンパク質は、しばしば小胞状の構造体にも局在する。CRLタンパク質はN末端側に膜貫通領域と予想される疎水性アミノ酸に富んだ領域をもち、そのC末側にYFNIという配列をもつ。このYFNI配列は、膜タンパク質の細胞質側に存在するタンパク質ソーティングシグナルであるYxxΦ配列と一致している。今回我々は、色素体包膜への局在に必要なCRLタンパク質のアミノ酸配列、および小胞状の構造体への局在に必要なアミノ酸配列の同定を行った。一部を欠失したCRLタンパク質とYFPとの融合タンパク質を植物細胞内で発現させ、細胞内局在を調べた結果、膜貫通領域が色素体包膜への局在に必要なことが示唆された。現在さらに小胞状構造体への局在に必要な領域の同定を行っている。また、小胞状の構造体に色素体の外包膜、内包膜が含まれるのかを調べるために、外包膜タンパク質、内包膜タンパク質に対する抗体を用いた免疫組織化学的解析を進めている。これらの結果も合わせて報告したい。
著者関連情報
© 2011 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top