日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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タバコの2型プロリン水酸化酵素と相互作用するタンパク質の探索
*森口 亮松岡 健
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p. 0087

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抄録
植物特異的な蛋白質へのO-結合型糖鎖修飾の最初のステップは、蛋白質中のプロリン残基のヒドロキシプロリンへの変換であり、その反応には、1型または2型のプロリン水酸化酵素(P4H)が関与する。植物のP4Hが他の蛋白質と相互作用するかどうかは明らかになっていないが、これまでに我々は、タバコの2型P4HであるNtP4H2.2はゴルジ装置に局在する膜表在型蛋白質であり、C末端に存在するtox1ドメインが膜への結合に関与することを見出している。このことから、NtP4H2.2はゴルジ装置に局在する膜蛋白質と相互作用している可能性が考えられる。そこで本研究ではNtP4H2.2と相互作用する蛋白質の探索を行った。
まず、NtP4H2.2の可溶化条件について検討を行ったところ、NtP4H2.2は低温下でTritonX-100に不溶性であるが、デオキシコール酸で可溶化されることがわかった。このことから、NtP4H2.2はラフト領域に局在する可能性があると考えられた。次にタバコBY-2細胞からTritonX-100不溶性の膜画分を調整し、クロスリンカーであるEGSを作用させた。続いて抗NtP4H2.2抗体を用いて免疫沈降を行った結果、幾つかの共沈蛋白質を確認することができた。現在、質量分析計による蛋白質の同定・解析を進めており、それらの結果についても報告したい。
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© 2011 日本植物生理学会
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