日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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ウツボカズラ(Nepenthes alata)の捕虫器溶液に存在する分泌タンパク質のクローニングおよび遺伝子発現解析
*濱田 達朗津野 義久波多野 直哉
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p. 0086

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抄録
食虫植物は痩せた土地に生育し、葉が特殊な形状をした捕虫器官で昆虫などの小動物を捕らえ、分解、吸収することにより必要な養分を得ている。食虫植物の一種であるウツボカズラ(Nepenthes)はつぼ状の捕虫器を有し、それで昆虫などの獲物を捕える。捕虫器内には液体が満たされており、そこにはアスパラギン酸プロテアーゼ(ネペンテシンIおよびII)やβ-D-キシロシダーゼやクラス?Wキチナーゼ、β-1,3-グルカナーゼ、タウマチン様タンパク質などが含まれている(Hatano & Hamada, 2008)。我々は、ネペンテシンII(NaNEPII)およびβ-D-キシロシダーゼ(NaXYL1)、β-1,3-グルカナーゼ(NaBGLUC1)の遺伝子クローニングをおこなった。捕虫器溶液に含まれる分泌タンパク質をコードする遺伝子群の遺伝子発現様式を明らかにするために、葉、根、茎などの組織、さらに捕虫器については様々なステージからRNAを精製し、RT-PCRをおこなった。その結果、遺伝子ごとに異なる発現様式を示すことが明らかになった。
Hatano, N. & Hamada, T. (2008) J. Proteome Res. 7, 809-816.
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© 2011 日本植物生理学会
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