日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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ペルオキシダーゼアイソザイムCWPO-Cの基質酸化機構とリグニン重合への関与
*重藤 潤堤 祐司近藤 隆一郎
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p. 0088

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抄録
ポプラ由来のペルオキシダーゼアイソザイムCWPO-Cは、Horseradish peroxidase (HRP)やArabidopsis thaliana peroxidase A2 (ATP A2) に代表される一般的な植物ペルオキシダーゼがほとんど酸化することができないシナピルアルコール、および高分子基質に対して高い酸化能力を有している。CWPO-CのヘムポケットサイズはHRP、ATP A2とほぼ同じ大きさであることが示され、さらに、CWPO-CにはHRP、ATP A2においてシナピルアルコールのヘムポケットへの進入を立体的に阻害すると考えられている139位のプロリンも保存されている。このことから、CWPO-Cによるシナピルアルコールや高分子基質の酸化は、アミノ酸電荷リレーを介してタンパク表面上で生じているのではないかと推測された。
本発表では、CWPO-Cの有力な基質酸化部位候補であるタンパク表面上に露出する74位のチロシンと177位のチロシンをフェニルアラニンに置換した組換えタンパクを用い、その基質酸化機構について議論を行う。
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© 2011 日本植物生理学会
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