日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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イネγ-アミノ酪酸アミノ基転移酵素 (GABA-T)の細胞内局在と酵素学的性質
*赤間 一仁尾崎 夏栄戒能 久美子
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p. 0093

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抄録
γ-アミノ酪酸アミノ基転移酵素 (GABA-T)はGABAからコハク酸セミアルデヒドへの変換を触媒する。トマトは3つのGABA-T遺伝子を持ち、アイソフォームにより細胞内での局在が異なる(Clark et al., 2009)。イネ (O.sativa)は4種のGABA-T遺伝子族から構成されており、OsGABA-T4を除きN末端側にオルガネラへの移行シグナルが予測される。今回OsGABA-Tの細胞内局在と酵素の生化学的な性質を調査したので報告する。イネのGABA-TをコードするcDNA(OsGABA-T1OsGABA-T2, OsGABA-T3)の全長とN末領域をコードするDNA断片をGFPの5‘末端側にin-frameで連結した。移行シグナルがないと推定されるOsGABA-T4については、開始コドンの1番目から2番目までのコード領域をGFPに連結した。タマネギの表皮細胞とソラマメの孔辺細胞に上記のGFPベクターをパーティクルガン法で導入して一過的な発現を調べた。この結果、OsGABA-T1とOsGABA-T2はミトコンドリアへの局在が示唆された。OsGABA-T3::GFPはミトコンドリアの他に、プラスチドと細胞質でも局在が観察された。OsGABA-T4では、細胞質のみに局在が観察された。これらの酵素はピルビン酸、またはグリオキシル酸依存性を示した。
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