日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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ARA6とVAMP727が制御するポストゴルジ輸送経路の解析
*海老根 一生藤本 優台信 友子植村 知博堤 伸浩中野 明彦上田 貴志
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p. 0106

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抄録

細胞内では小胞を介して様々な物質の輸送が行われており,RABとSNAREはこの小胞と標的オルガネラ膜の融合を制御する分子である.我々は,小胞輸送が植物の高次現象において果たす役割を明らかにすることを目的とし,特に植物固有のRABとSNAREであるARA6とVAMP727に注目し研究を行っている.ARA6は特徴的な一次構造を持つ植物固有のRAB5であり,保存型のRAB5とは一部重なりながらも異なるエンドソームに局在している.一方,VAMP727はlongin domainに約20アミノ酸からなる挿入を持つR-SNAREであり,液胞膜とエンドソームの接する部分でQ-SNAREであるVAM3と複合体を形成することにより,エンドソームと液胞間における膜融合を制御している(Ebine et al., 2008).これら植物固有の小胞輸送制御因子について様々な手法を用いて機能解析を行った結果,我々は新たに,VAMP727がエンドソームから細胞膜への輸送においても機能していること,その上流でARA6が機能していることを見いだした.今大会ではこの解析結果について報告するとともに,ARA6によって制御される輸送経路の生理的意義についても議論したい.

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© 2011 日本植物生理学会
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