日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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グルタチオンのシロイヌナズナに対する効果(1):個体の生長
*逸見 健司岩崎(葉田野) 郁小川 健一
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p. 0116

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抄録
窒素の過剰施肥は、栄養生長を促進し、光利用効率の低下によって種子収量を低下させる。しかし、シロイヌナズナにおいて窒素の過剰施肥と当量の還元型または酸化型グルタチオンは、草型を乱すことなく種子収量を上昇させた。この窒素施肥では見られない効果を調べるために、還元型または酸化型グルタチオンを底面潅水で与えた野生型シロイヌナズナの生長解析を行った。還元型または酸化型グルタチオン施用では、播種後4週間目あたりの時期からロゼット葉が丸みを帯びた形態を示したが、花成に大きな影響を及ぼさなかった。還元型または酸化型グルタチオン施用した植物は、播種後5週間目において抽だいし、植物体内の全窒素量が増加したが、この時期以降に地上部バイオマス量が顕著に上昇した。還元型または酸化型グルタチオン施用では、栄養生長期の期間を変えることなく、生殖生長期における生長量を増大させることが可能である。生長解析の詳細は、発表で報告する。
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© 2011 日本植物生理学会
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