日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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シロイヌナズナ花成制御因子FEによるフロリゲン機能の制御機構
*阿部 光知渡辺 綾子米田 好文
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p. 0186

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抄録
花成を制御する外的・内的環境情報はFT遺伝子の発現制御機構に集約され、最終的にはフロリゲンの産生という形で効果が発揮される。FT遺伝子産物が花成を誘導する長距離シグナル分子(フロリゲン)として機能することは、これまでに多くの研究グループが様々な実験手法を駆使することによって証明されてきた。シロイヌナズナfe変異体は、1991年にKoornneefらによって報告された花成遅延変異体の一つである。fe変異体は、同時期に報告されたft変異体、fd変異体と良く似た表現型を示すものの、長らく花成研究の対象とされてこなかった経緯がある。われわれは、このfe変異体に注目し、現在までに原因遺伝子の同定ならびに表現型の解析による機能の推定を行ってきた。その結果、FEタンパク質は維管束篩部におけるフロリゲン機能の調節に関与しており、fe変異体においてはフロリゲン活性の低下が花成遅延の原因であることを示唆する結果が得られた。本発表では、フロリゲン機能の制御における FEタンパク質の役割について議論する。
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© 2011 日本植物生理学会
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