日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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ペチュニア自家不和合性の花粉側因子として機能する新規なタイプのSLFsの機能解析
*高良 明枝久保 健一円谷 徹之磯貝 彰高山 誠司
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p. 0185

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抄録
自家不和合性(SI)は、顕花植物において自殖を妨げるための遺伝的メカニズムである。ペチュニアを含むナス科植物では、非自己花粉管内において、花粉側因子を構成するSLF(S-locus F-box)が細胞毒性を持つ雌しべ側因子S-RNaseを非自己アレル産物特異的に認識し、解毒することによって、非自己花粉管の伸長をサポートしている。我々は最近、一部の非自己S-RNaseを選択的に認識するSLFsが複数機能し、多数存在する非自己S-RNaseを協調的に認識、解毒しているという、「協調的非自己認識」モデルを提唱した。我々は、少なくとも3つのタイプのSLF(タイプ-1、-2、-3 SLFs)が、それぞれ異なる一部の非自己S-RNaseを選択的に認識することを示したが、3つのタイプのSLFだけでは認識されないS-RNaseの存在も示されたことから、花粉側因子として機能する他のタイプのSLFの存在も示唆された。本研究では、新規なタイプのSLFの探索を進めると共に、花粉側因子としての機能を形質転換実験によって調べた。その結果、新たな花粉側因子候補を見出したので報告する。
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© 2011 日本植物生理学会
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