日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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ブラシノステロイド情報伝達因子BIL4の細胞内における機能解析
*山上 あゆみ齊藤 知恵子中澤 美紀松井 南作田 正明中野 明彦浅見 忠男中野 雄司
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p. 0216

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抄録
ブラシノステロイド(BR)は細胞伸長、細胞分裂や葉緑体の発達など、植物生長の様々な局面で重要な機能を果たしている植物ホルモンである。近年BR情報伝達経路は様々な因子の存在が報告されているが、その全容は未だ解明されていない。そこで、我々はBR情報伝達機構の解明を目指し、BR生合成阻害剤Brz存在下での胚軸伸長を選抜条件にして、ArabidopsisのアクティベーションタグラインからBR情報伝達変異体bil4 (Brz-insensitive-long hypocotyl 4)を選抜し、解析を行っている。選抜したbil4変異体は、7回膜貫通ドメインを持つ新規遺伝子が原因遺伝子であった。BIL4プロモーター::GUS形質転換体の解析により、幼葉や根の初期細胞伸長帯においてBIL4の発現が観察された。これらの結果から、BIL4遺伝子は細胞伸長や細胞分裂において重要な働きを担っていることが示唆された。また、BIL4::GFP植物体の観察により、BIL4は液胞膜とエンドサイトーシスへの局在が明らかになった。ブラシノステロイド受容体BRI1においても、エンドサイトーシス局在が報告されていることから、BIL4とBRI1の関係についても解析を行っている。
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© 2011 日本植物生理学会
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