日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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20Sおよび26SプロテアソームレベルはNAC転写因子ANAC078により制御を受ける
*薮田 行哲長田 龍治吉岡 慧介森下 輝之丸田 隆典西澤(横井) 彩子田茂井 政宏重岡 成
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p. 0286

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抄録
我々はこれまでにシロイヌナズナのNAC転写因子であるANAC078過剰発現株(Ox-ANAC078)において、166遺伝子が野生株と比較し強光条件下で誘導を受けていることを報告している(Plant Cell Physiol. 2009)。興味深いことに、これらの中に20Sおよび26Sプロテアソームを構成する13遺伝子が含まれていた。このことはプロテアソームはANAC078により制御を受けている事を示唆する。そこで本研究ではANAC078を介したプロテアソーム制御機構の解明を試みた。
プロテアソームを構成する遺伝子群の強光(HL:1200 μmol/m2/s)に対する応答を解析したところ、複数の遺伝子が誘導され、Ox-ANAC078では通常およびHL条件下において野性株よりも誘導されていた。また、26Sおよび20Sプロテアソームレベルについて解析を行ったところ、野性株と比較してOx-ANAC078では顕著な増加が認められた。またキモトリプシン様活性の測定を行ったところ、同様にOx-ANAC078で顕著な上昇が認められた。以上のことから、ANAC078は20Sおよび26Sプロテアソームレベルの制御に機能していることが明らかになった。
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© 2011 日本植物生理学会
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