日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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ヒメツリガネゴケ(Physcomitrella patens)に見出された病害抵抗性遺伝子(R遺伝子)に関する研究
*谷垣 悠介小阪 安希子伊藤 健司Lehtonen MikkoThelander Mattias橘川 麻衣秋田 求Valkonen Jari
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p. 0289

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抄録
我々は、ヒメツリガネゴケ(Physcomitrella patens)を利用して、病害抵抗性遺伝子(R遺伝子)の機能について解析することを目指している。P. patensから見出されたPpC24遺伝子(Akita and Valkonen 2002)は、TIR-NBS-LRR型R遺伝子に特徴的なNBS(nucleotide binding site)の相同領域をもつ。このNBS上流にはToll and interleukin-1receptor like domain (TIR)は存在せず、kinaseと推定される領域が認められるが、下流のDNA配列には、R遺伝子のleucine rich repeat(LRR)との相同性を有する約1950bpのORFが観察される。これまでNBS下流の転写物は明らかでなかったが、本研究から、オルタナティブスプライシングによりその転写産物が少なくとも3種類存在するとわかった。推定kinase領域からの長い転写産物が複数種生成されていると予想されるが、NBS-LRR間にストップコドンが観察されることから、さらに検討が必要である。このKinase-NBS-LRRと相同的な配列は、P. patensゲノム上にPpC24を含めて少なくとも4箇所見られた。PpC24遺伝子のkinase領域のノックアウト株を作出したところ、形態的には野生型と変化なかった。
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© 2011 日本植物生理学会
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