日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
会議情報

Cyanobacterium sp. NBRC 102756 株のデンプン生産能に及ぼす鉄栄養、光照射条件の検討
*鈴木 英治松澤 敏広佐藤 朗
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 0300

詳細
抄録
単細胞で窒素固定能を示す(ニトロゲナーゼ遺伝子を持つ)シアノバクテリアは、貯蔵多糖として可溶性のグリコーゲンではなく、緑色植物のアミロペクチンに類似した不溶性のα-グルカンを蓄積する。その1種、Cyanobacterium sp. NBRC 102756 株では、鉄栄養欠乏により多糖蓄積量が乾重あたり 15% から 40% に増大した。本研究では、同株の多糖生産能に及ぼす鉄栄養、光照射条件を検討した。鉄添加条件(0.47 ppm Fe)では、培養開始(前培養からの希釈)後 24 時間以内は、生育速度が顕著に高いことに比較して多糖合成量が少なく、結果として 24 時間後、細胞あたりの多糖量は減少する傾向が認められた。一方、鉄欠乏条件では、培養開始直後に多糖量の急激な増加が認められた。バイオマス生産に及ぼすエネルギー投入量の効率化を図る目的で、異なる光照射条件(明暗サイクル)での多糖生産量を調べた。鉄添加条件において培養開始後 120 時間後の多糖蓄積量は、連続光照射と 18 h 明/ 6 h 暗条件でほぼ同等であった。その後、6 h 明/ 18 h 暗条件まで、照射時間が短くなるとともに多糖量は減少した。鉄欠乏条件では、連続光照射条件から、照射時間の減少に応じて多糖蓄積量は連続的に低下した。暗期において、細胞内の多糖含量にはほとんど変化は認められなかった。
著者関連情報
© 2011 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top