日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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シロイヌナズナPsbP-Like 1 (PPL1) タンパク質の分子機能解析
*松井 信太郎石原 靖子井戸 邦夫伊福 健太郎佐藤 文彦
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p. 0313

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抄録
高等植物には光化学系II (PSII) 酸素発生系の構成タンパク質であるPsbPに加えて、複数のPsbPパラログ (PsbP-likeタンパク質:PPL, PsbP-domainタンパク質: PPD) が存在する。このうち、PPL1タンパク質は、その配列からシアノバクテリアのPsbPホモログ (cyanoP) に最も近いホモログであると考えられる。これまでに我々のグループではシロイヌナズナppl1変異株を用いた解析により、PPL1が強光照射下においてPSII修復過程に関与する因子であることを明らかにした (Ishihara et al. 2007, Plant Physiol 145, 668-679)。しかしながら、PSII修復過程におけるPPL1の分子機能は明らかではない。今回、新たにPPL1の発現が抑制されたRNAi株 (ppl1i株) を作製し、その表現型を解析した結果、ppl1i株ではPPL1発現レベルに応じた強光感受性が示された。また、ショ糖密度勾配遠心法によりチラコイド膜タンパク質複合体を分離し、分画したサンプルをSDS-PAGE/Immunoblot により解析した結果、PPL1は比較的比重の重い画分で検出され、何らかの複合体と相互作用することが示唆された。現在、PPL1の発現抑制の影響とタンパク質相互作用の実態を明らかにすべく研究を進めている。
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© 2011 日本植物生理学会
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