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現在、日本で園芸利用されているリンドウには本来の青花に加えて、ピンク花が存在する。ピンク花はフラボノイド3′, 5′水酸化酵素遺伝子(F3′5′H)へのトランスポゾン挿入による機能欠失変異であることが判明している(Nakatsuka et al. 2006)。今回、別の2系統のピンク花リンドウを解析したところ、これまでとは異なる新たな2つのF3′5′H遺伝子の変異が認められた。一つは、F3′5′H遺伝子のイントロン内への322bpのトランスポゾン様配列の挿入であり、RT-PCRによる解析から本配列の挿入はF3′5′H遺伝子のミススプライシングを引き起こしていることが判明した。もう一方の変異は、第一エキソン領域へのチミジンの1塩基挿入であり、F3′5′H遺伝子のフレームシフト変異がピンク花化に関与する可能性が示された。今回解析したピンク花品種においてはピンク花から青花への復帰変異体も得られており、現在、本原因について解析を進めている。
Nakatsuka et al. (2006) Molecular Genetics and Genomics 275: 231-241.