日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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ファミリー1配糖化酵素の機能多様性における進化的考察
*榊原 圭子花田 耕介斉藤 和季
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p. 0389

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抄録
ファミリー1配糖化酵素(UGT)は、植物二次代謝産物を含む様々な低分子化合物に糖を転移する酵素である。
我々は、陸上植物の進化の過程において、UGTがどのようにその数と機能を拡大してきたのかを調べる目的で、Physcomitrella patens, Selaginella moellendorffii, Populus trichocarpa, Oryza sativa, Arabidopsis thaliana, Arabidopsis lyrataの6植物種から保存UGTドメインUDPGTを持つ推定UGT遺伝子を特定した。これらのUGT遺伝子の系統樹解析により、UGTは種特異的に著しく増加していること、維管束植物においてPhyscomitrellaとの分岐後、特に遺伝子重複が盛んであることを見いだした。また、上記6植物由来のUGT遺伝子はそれぞれ1つの共通祖先に由来すると考えられる24のorthologous グループに分類された。いくつかのorthologous グループは、機能既知の多数のUGTファミリーを含んでおり、基質認識の機構は種特異的に獲得されたことを示唆していた。また、1種類のUGTファミリーのみを含んでいるグループも存在し、これらのUGTファミリーは、植物において重要な役割を担っており、そのため機能的制約を受けている可能性が考えられた。
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© 2011 日本植物生理学会
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