日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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アシルグルコース依存型アントシアニン配糖化酵素の酵素学的解析
*松葉 由紀佐々木 伸大岡本 えみ岡村 正愛寺 正行長澤 和夫小関 良宏
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p. 0393

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抄録

カーネーション花弁より精製したアシルグルコース依存型アントシアニン 配糖化酵素(AAGTs) は、48 時間反応を触媒する安定な酵素であり、至適 pH と温度は、4.5 - 6.0 と 40 - 45°Cであった。AAGTs は 3 位が糖(または更に有機酸)で修飾されたアントシアニンのみを糖受容体とする一方で、様々なアシルグルコースを糖供与体とした。植物精製(及び組換え) AA5GT のシアニジン 3-グルコシド(Cy3G)に対する kcatKm は 0.06 (0.07) s-1、13.0 (6.5) μM、バニリル-β-D-グルコース(VG)に対する kcatKm は 0.01 (0.01) s-1、46.5 (51.9) μMであった。AA7GT の Cy3G に対する kcatKm は 0.17 s-1、22.9 μM、VGに対する kcatKm は 0.10 s-1、260.8 μMであった。また AAGTs のシグナルペプチドと GFP を融合させたタンパク質を一過発現させたタマネギ表皮細胞で GFP 蛍光を観察した結果、AAGTs は液胞に局在していることが示唆された。この研究は生物系産業創出のための異分野融合研究支援事業により行った。

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© 2011 日本植物生理学会
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