日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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カーネーションとデルフィニウムからの新奇アントシアニン配糖化酵素遺伝子 cDNA の単離
*小関 良宏岡本 えみ松葉 由紀岡村 正愛寺 正行長澤 和夫佐々木 伸大
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p. 0392

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抄録
これまでに我々の研究グループでカーネーションとデルフィニウム花弁中にアシルグルコースを糖供与体としたアントシアニン配糖化酵素(AAGT)が存在することを報告した。そこでカーネーション花弁から7 段階の精製ステップを経てAAGT酵素の精製を行った。精製したタンパク質のアミノ酸配列情報をもとにAAGT cDNAを獲得した。AAGT cDNAを大腸菌に導入しタンパク質を生産させ、アントシアニン 3-グルコシドを糖受容体としてAAGT活性を検討したところ5位配糖化酵素活性が確認された。カーネーションにおけるAAGT遺伝子の発現は、花弁の比較的早い時期で極大になることが確認された。また、アントシアニンの5位の糖が欠損したアントシアニンを持つカーネーション花弁では発現は確認されず、さらにこの欠損体の花弁の表皮細胞にAA5GT cDNA を一過的に導入したところ、アントシアニン5位配糖体に由来する特徴的な蛍光が観測された。またデルフィニウムにおける AAGT相同cDNA を単離し、大腸菌を用いて組換えAAGT活性を検討したところ、その活性が認められた。これらのアミノ酸配列についてデータベース上で検索したところglucoside hydrolase family 1に分類される酵素であることが明らかとなった。この研究は生物系産業創出のための異分野融合研究支援事業により行った。
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© 2011 日本植物生理学会
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