日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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原形質膜アクアポリンPIP1の水チャンネルはPIP2によって開けられる
*柴坂 三根夫篠野 静香且原 真木
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p. 0397

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抄録
高等植物の原形質膜局在型アクアポリンはPIP1とPIP2の2種類に分類できる。PIP2はアフリカツメガエル卵母細胞機能発現系や酵母の小胞で大きな水輸送活性があるが、PIP1は活性がないか、あっても非常に小さい。しかし、PIP1はアフリカツメガエル卵母細胞で単独で発現させると、発現が低レベルであり、原形質膜へターゲティングさせることができないので、PIP1分子の水チャンネルが本当に閉じているかどうかは疑わしかった。HvPIP1;2はアフリカツメガエル卵母細胞で単独で発現すると活性がみられないが、HvPIP2;4と共発現した時にはHvPIP1;2自体の水チャンネル活性が確かに発現していることは既に示した(2009年大会)。本研究は単独で発現しても卵母細胞の原形質膜へターゲットできるHvPIP1;2キメラタンパク質を作成し、これをエスコートタンパク質として利用してHvPIP1;2を原形質膜に届けても活性が検出できないことを明らかにした。これはPIP2とヘテロマーを形成しないPIP1は活性がないことを示している。これはPIP1の生理学的役割を考える上で重要な発見である。この研究は生研センター基盤研究推進事業によって実施された。
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© 2011 日本植物生理学会
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