日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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孔辺細胞局在型陰イオンチャネルSLAC1の気孔閉鎖におけるCO2シグナル受容部位の探索
*山本 禎子祢宜 淳太郎松田 修磯貝 泰弘射場 厚
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p. 0401

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抄録
SLAC1は気孔閉鎖に必要な陰イオンチャネルであり、その変異体slac1-2 はCO2やABAなどの気孔閉鎖シグナルに応答せず、常に気孔を開いたままの表現型を示す。最近、SLAC1と直接的に相互作用する因子として、ABAシグナル伝達因子であるOST1キナーゼがSLAC1のN末端領域をリン酸化することにより、そのチャネルを活性化することが報告されている。一方、SLAC1のCO2シグナル受容に関しては未だ知られていない。本研究では、SLAC1のCO2シグナル受容部位の探索のため、SLAC1のN末端領域またはC末端領域を削り込んだコンストラクト(S1ΔN、S1ΔC )をslac1-2 変異体に導入し、形質転換体の表現型解析を行った。S1ΔN、S1ΔCはいずれもCO2応答に関してSLAC1の機能を相補し、SLAC1のCO2シグナル受容部位は180~504 a.a.の膜貫通領域に存在することが示唆された。そこで、ABAシグナリングと同様、CO2シグナリングにおいてもリン酸化が関与していると想定し、SLAC1の立体構造モデルを作製した上で、膜貫通領域にあるアミノ酸残基のうちリン酸化される可能性のあるものを検索した。本講演では、それらについても議論する。
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© 2011 日本植物生理学会
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