日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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WRKY8 のMAPKによるリン酸化にはD domain依存的な相互作用が必要である
*石濱 伸明山田 麗子吉岡 博文
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p. 0450

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抄録
MAPKカスケードは、植物の防御応答において重要な役割を担っている。私達はこれまでに、ベンサミアナ植物 (Nicotiana benthamiana) から、病害応答性のMAPKであるSIPK、NTF4、WIPKの基質として、WRKY8を同定した。WRKY8には、動物や酵母のMAPK基質によく保存されたD domain様の配列が存在する。D domainは、MAPKとの相互作用に関わり、基質の効率的かつ特異的なリン酸化を保証する役割を持つ。今回、WRKY8のリン酸化におけるD domain様配列の役割を調べた。BiFCおよびプルダウンアッセイによりWRKY8とMAPKの相互作用を解析した。WRKY8はSIPK、NTF4、WIPKと相互作用したが、NTF6とは相互作用しなかった。また、D domain様配列に変異を加えると、WRKY8とSIPK間の相互作用が顕著に阻害された。D domain様配列に変異を施した変異WRKY8は、in vitroにおけるSIPKによるリン酸化も、in vivoにおける恒常活性型MEK2の発現に依存したリン酸化も著しく抑制された。これらの結果は、WRKY8がD domain依存的に直接MAPKと相互作用し、そのD domainを介した相互作用がMAPKによるWRKY8のリン酸化に必要であることを示している。
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© 2011 日本植物生理学会
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