日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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酸素発生型光合成生物に保存されている機能未知遺伝子LAP1は強光順化に関与する
*佐藤 諒一太田 啓之増田 真二
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p. 0458

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抄録
植物は過剰な光エネルギーに対する防御機構を持っている。そのうちの一つに、過剰に吸収した光エネルギーを熱として安全に消去する機構がある。このような機構は、必要以上に光エネルギーを消去しないように環境に応じて確実に制御されることが重要であるが、その制御機構の詳細は分かっていない部分も多い。今回、光合成生物の強光順化に関する新たな知見を得る目的で、発現パターンやホモログの存在などから強光順化に関わる機能未知遺伝子(LAP1:Light Acclimation Protein1)を同定し、その機能解析を行った。シロイヌナズナlap1変異体は、葉がペールグリーンになり、この傾向は強光条件でより顕著になった。また、クロロフィル蛍光測定法により、その変異体は非光化学消光(NPQ)が野生型に比べて高かった。これらのことから、LAP1タンパク質が強光順化に関与する可能性が示唆された。LAP1はシアノバクテリアを含む酸素発生型光合成生物に高度に保存されており、シアノバクテリアのLAP1ホモログも、現在機能解析を進めている。それらの結果を合わせ、具体的なLAP1の機能を議論する。
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© 2011 日本植物生理学会
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