日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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アイスプラントのCAM化で誘導されるプロモーターの植物体の生育と環境に依存した活性化
Abul Kalam Azad Muhammad北原 英明森田 邦男大西 純一*是枝 晋
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p. 0457

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抄録
アイスプラントは播種後5週目に水ストレスを受けると、約10日間で光合成がC3型から多肉植物型酸代謝(CAM)型になる。このとき、多くのCAM関連酵素が転写レベルで誘導される。しかし、これらの遺伝子上流域の機能的解析は2,3の例を除きされていない。我々はCAM化で誘導されるプラスチド型グルコース-6-リン酸/リン酸輸送体遺伝子(McGPT2)の転写活性制御機構を明らかにするため、McGPT2の転写開始点上流約-2.6 kbとその5'側を欠失させたDNA断片をホタル・ルシフェラーゼORFとつないで、パーティクルガンでC3型およびCAM型アイスプラント葉組織に導入し、プロモーター活性を比較した。その結果、-0.24 kbまでの領域でCAM化での誘導シグナルを、-0.24~-0.7 kb領域付近で日周期による制御シグナルを、それぞれ受けている可能性が示唆された。また、アイスプラントは、植物体がまだ小さい播種後4週目に水ストレスを受けるとCAM化に15日以上かかる。そこで、播種後4週目の植物にストレスをかけ、McGPT2上流域のプロモーター活性を比較したところ、その活性上昇もCAM化同様、大きく遅れることがわかった。このことはアイスプラントのCAM化能は植物の生育にも転写レベルで影響を受けることを示唆している。
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© 2011 日本植物生理学会
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