日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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シロイヌナズナの維管束形成に関わる新規細胞間相互作用因子CLE46ペプチドの解析
*大槻 和弘遠藤 暁詩伊藤 容子伊藤(大橋) 恭子福田 裕穂
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p. 0486

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抄録
植物の維管束組織系は植物体全体の養分及び情報のネットワークとして極めて重要である。この維管束の形成・維持過程では、低分子分泌ペプチドCLE41/44 (TDIF)が重要な役割を果たす。CLE41/44は篩部から分泌され、前形成層細胞膜上でTDRに受容される。その結果、前形成層の細胞分裂が促進されるとともに、道管分化が抑制される。CLE41/44と配列がよく似たCLEモチーフは、CLE42及びCLE46にも存在し、CLE42はTDIF活性をもつ。しかし、CLE46はTDIF活性を示さず、機能は良く分かっていない。そこで、私たちはCLE46の機能を解析することにした。
これまでのCLE46プロモーター活性の解析より、CLE46は発芽1週間では発現が見られず、2週目以降に維管束で発現することが分かっている。また、CLE46は特に木部領域で発現していた。従って、CLE46も維管束に関連した機能をもつことが予測された。そこで、維管束形成におけるCLE46の働きを調べるために、CLE46過剰発現体、CLE46 RNAi体の作出を試みた。そして、形質転換体においてCLE46の発現がそれぞれ過剰になっているライン、及びノックダウンされているラインを得た。本研究では、これらの形質転換体における表現型を報告するとともに、合成CLE46ペプチド投与の実験の結果についても報告する。
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© 2011 日本植物生理学会
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