日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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シロイヌナズナrsx1変異株における糖転流の解析
*段 中瑞
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p. 0556

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抄録
シンク葉は、光合成機能を獲得してソース化するのに伴い、小脈篩部の伴細胞 (companion cell, CC) -篩要素 (sieve element, SE) 間の細胞壁に二次原形質連絡(2o-PD)を発達させることが知られている。(2o-PD)の形成は、CC-SE間のショ糖輸送を促進すると考えられている。我々は、シロイヌナズナのrestricted sucrose export 1 (rsx1)変異株では成熟葉のCC-SE間の(2o-PD)形成異常、及びシュートへの糖転流の阻害が起こることを明らかにしている。本研究では糖転流におけるRSX1の働きを明らかにするため、シロイヌナズナ及びPro35S-RSX1/-過剰発現株を用いて、14CO2同化物の転流を調べた。その結果、抽台前の野生株(WT)でソース葉の14CO2固定産物は主にすぐ上にあるシンク葉へ転流していた。rsx1-2変異株では、転流量がWTに対し5%まで低下していたが、rsx1-2 transRSX1:sGFP相補株では、糖転流がWTと同程度まで回復していた。以上の結果は、RSX1がソース葉からシンク葉への糖転流に関与することを示唆している。さらにPro35S-RSX1/-過剰発現株では、根への糖転流が顕著に増加することを明らかにした。
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© 2011 日本植物生理学会
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