日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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シロイヌナズナNAC関連転写因子VOZは非生物学的ストレス応答の制御に関与している
*中井 勇介中平 洋一安居 佑季子河内 孝之椎名 隆高木 優光田 展隆佐藤 雅彦
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p. 0564

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抄録
植物特異的DNA結合因子VOZは、陸上植物に広く保存された転写制御遺伝子ファミリーであり、NAC転写因子に弱い相同性を示す。シロイヌナズナにはAtVOZ1,AtVOZ2が存在する。voz1voz2は長日条件において遅咲きや顕著な耐凍性の向上を示すことから、花成制御(安居ら、第49回年会)及び、低温応答(中井ら、第50回年会)への関与が示唆されている。本研究では、花成及び低温ストレス応答以外のVOZの機能の解明を目的に、シロイヌナズナvoz1voz2二重変異体のDNAマイクロアレイ解析を行った。その結果、voz1voz2では非生物学的ストレス応答(低温、浸透圧、乾燥、塩)に関わる遺伝子群の発現に有意な上昇が認められた。さらに、耐凍性の向上に加えて、voz1voz2は野生型と比較して顕著に乾燥に対する耐性の向上が観察された。現在、浸透圧及び、塩ストレス耐性試験や既知の非生物学的ストレス応答制御因子の発現解析を進めている。本発表では非生物学的ストレス応答におけるVOZの役割を議論したい。
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© 2011 日本植物生理学会
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