日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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イネ種子における遊離リシン含量制御機構の解析
*川勝 泰二高岩 文雄
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p. 0612

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抄録
穀物は必須アミノ酸であるリシンおよびトリプトファンが制限アミノ酸となっている。植物種子中の遊離リシン含量はbifunctionalなリシン分解酵素であるlysine ketoglutarate/saccharopine dehydrogenase (LKR/SDH)によって制御されていると考えられている。本研究ではOsLKR/SDHの発現制御を介したイネ種子における遊離リシン含量制御機構を解明することを目的とした。
抗トウモロコシLKR/SDH抗体を用いたイムノブロットから、OsLKR/SDHタンパク質は種子特異的に蓄積していることが明らかになった。OsLKR/SDHプロモーターは登熟中の種子胚および胚乳中のアリューロン層・サブアリューロン層においてGUSレポーター遺伝子の発現を誘導した。胚乳中における発現パターンは種子貯蔵タンパク質(SSP)遺伝子の発現パターンと酷似しており、SSP遺伝子と同様の発現制御を受けていることが示唆された。本発表ではSSP遺伝子の主要な転写制御因子であるRISBZ1およびRPBFがOsLKR/SDHの発現制御を介してイネ種子における遊離リシン含量を制御していること、OsLKR/SDHとSSP遺伝子の発現制御における共通点、相違点について報告する。
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© 2011 日本植物生理学会
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