日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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液胞膜トランスポーター候補遺伝子過剰発現シロイヌナズナ植物体における代謝物蓄積変動の解析
*佐々木 亮介杉山 裕子大西 美輪姉川 彩澤田 有司平井 優美三村 徹郎青木 考
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p. 0660

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抄録
液胞膜上には30種を超えるトランスポーターがあると推定されているが、その多くの機能は未解明である。本研究では、液胞膜上に存在することが分かっているトランスポータータンパク質遺伝子(At3g21690)を過剰発現させたシロイヌナズナ植物体の代謝物解析を行なった。
実験手法としてフーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析装置(FTICR-MS)を用いて当該遺伝子過剰発現植物体での代謝物解析を行った。比較対象としてコントロール形質転換植物体と、液胞膜上に局在するが当該遺伝子のコードするものとは機能的に無関係と思われるトランスポータータンパク質遺伝子の過剰発現植物体を用いた。
過剰発現形質転換植物体においてコントロールと比べてグルコシノレートの増加が認められ、イソチオシアネートのピークも増加が認められた。また、野生株(Col-0)植物体ロゼット葉から単離した液胞画分よりグルコシノレートと考えられる質量ピークが検出された。これらの事からグルコシノレートが標的遺伝子にコードされるトランスポーターの輸送基質候補と考えられる。現在この検証を目的として、単離液胞取得が比較的容易な培養細胞系において液胞膜輸送関連因子とグルコシノレート生合成を制御するMYB転写因子の二重過剰発現体の作成を行っている。本研究はJST・CRESTの支援をうけて実施された。
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© 2011 日本植物生理学会
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