日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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弱光下で異常な形質を示すシロイヌナズナCRES-T系統の単離・解析
*藤原 すみれ光田 展隆高木 優
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p. 0669

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抄録
CRES-T法は、任意の転写因子に抑制ドメインを付加し植物体内で発現させることにより、目的の転写因子のみならず重複転写因子の働きも広く強力に抑制することのできる技術である。これまでに、CRES-T系統ライブラリーの網羅的スクリーニングが各種条件下で行われてきており、ストレス耐性などを持つ各種有用植物の作出や、転写因子が関わる制御機構の解明に広く貢献している。
本研究では、転写因子の新規機能発見および新たな有用系統の単離を目指し、弱光条件下でシロイヌナズナCRES-T系統ライブラリーを栽培し、野生型と比較して異常な形質を示す系統の探索および解析を行っている。このスクリーニングにより、直接的もしくは間接的に各種光応答に関与する因子に加え、通常の光量下でのスクリーニングでは発見しにくい形質を持つ系統なども単離できると期待される。
これまでに、弱光下で異常形質を示す約250個体を単離し、その中から選抜した80個体における原因転写因子(もしくは転写関連因子)を同定した。現在、単離された系統の弱光下と通常光量下での形質の比較や、個々の形質に応じたさらなる解析を進めている。
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© 2011 日本植物生理学会
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