日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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シクラメンにおけるAGAMOUS転写因子CpAG1、CpAG2の機能
*田中 悠里杉山 正夫大島 良美光田 展隆高木 優寺川 輝彦
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p. 0741

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抄録
シクラメン(Cyclamen persicum Mill.)は主要な園芸鉢花であり、我々は花器官の形成制御によるシクラメンの花形改変を目的として研究開発を進めている。AGAMOUSAG)相同遺伝子は、雄ずいおよび心皮形成に関わる転写因子をコードすることが知られており、花器官形成のメカニズムを明らかにする上で重要な因子である。前年度までに、シクラメンにおけるAG相同遺伝子の単離及び機能解析を行い、シクラメンにおいて2種類のAG(CpAG1、CpAG2)転写因子の存在を明らかにした。CpAG1CpAG2がコードするアミノ酸配列間では90%の一致がみられたにも関わらず、この二つの転写因子はCpAG1が雄ずい、CpAG2は心皮のそれぞれ異なる器官で機能を有していることが示唆された。この2種類の転写因子が花の形態形成においてどのような機能をもつのか明らかにするため、今回CpAG1CpAG2とリプレッションドメインを融合したキメラリプレッサーを作製し、シロイヌナズナおよびシクラメンへの導入を行った。これらの結果、これらの2つの転写因子の分子機能が異なっている可能性が示唆されたので報告する。なお本研究は「生研センターイノベーション創出基礎的研究推進事業」によるものである。
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© 2011 日本植物生理学会
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