日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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LysR型転写調節因子CmpRによるCO2欠乏に応答した転写活性化機構の研究
*原 拓人西村 崇史小俣 達男
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p. 0750

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抄録
Synechococcus elongatus PCC 7942のLysR型転写調節因子CmpRは、CO2欠乏条件下において高親和性HCO3-輸送体BCTIをコードするcmpABCD、Na+依存性高親和性HCO3-輸送体SbtAをコードするsbtAなどのCO2濃縮機構(CCM)関連遺伝子群の転写を促進する。RubisCOのオキシゲナーゼ反応の生成物である2-ホスホグリコール酸(2-PG)が低濃度(~10μM)でCmpRのターゲット遺伝子の上流領域への結合を促進させることから、2-PGがCO2欠乏のシグナルであり、CmpRのco-inducerとして作用することが示唆されている(Nishimura et al., 2008)。我々はこれまでの研究で、cmpA上流領域に2-PG依存的な複数のCmpR結合領域を同定したが、今回、これらの各領域へのCmpRの結合が600μMのリブロース1,5-ビスリン酸(RuBP)によっても促進されることを明らかにした。この結果は2-PG依存的およびRuBP依存的なCmpR結合部位が同一のものであることを意味しており、CO2応答に対するRuBPの影響を示唆する結果である。
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© 2011 日本植物生理学会
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