日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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シロイヌナズナのLPS結合タンパク質(AtLBP)はLPSシグナルを負に制御している
*武藤 さやか松崎 佐和子永野 幸生
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p. 0790

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抄録
グラム陰性菌の細胞壁構成成分であるリポ多糖(lipopolysaccharide: LPS)は植物自然免疫を誘導するエリシターである。しかし、植物のLPS認識機構は全く分かっていない。そこで我々は、ヒトのLPS認識機構において、LPSと直接結合するLPS結合タンパク質(LPS-binding protein; LBP)と殺菌性/透過性増強タンパク質(bactericidal/permeability-increasing protein; BPI)に注目した。シロイヌナズナは2つのLBP/BPI関連タンパク質(AtLBP)を持っている。AtLBPの自然免疫における機能解析を試みた。
組換えAtLBPを用いた結合解析により、AtLBPとLPSが直接結合することを明らかにした。また、AtLBP変異株を用いて自然免疫応答の変化を調べた。LPS処理後のPR1遺伝子発現とカロース蓄積について調べた。その結果、AtLBP2変異株は、WTに比べて早くPR1遺伝子が発現した。また、AtLBP2変異株はより低濃度のLPS処理に対してカロースの蓄積を示した。AtLBP2変異株はWTに比べて高いLPS感受性を持つといえる。これらの結果は、AtLBP2がLPSシグナルを負に制御することを示唆している。
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© 2011 日本植物生理学会
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