日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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植物培養細胞をもちいたストリゴラクトンの代謝実験
*山中 宏一謝 肖男来生 貴也米山 香織上野 琴巳浅見 忠男横田 孝雄山口 信次郎米山 弘一野村 崇人
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p. 0858

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抄録
ストリゴラクトンは根圏における根寄生植物とアーバスキュラー菌根菌の宿主認識シグナルである。また、宿主植物では自身の枝分れを制御する植物ホルモンとして働いている。変異体の解析からストリゴラクトンはカロテノイドから生合成されることが示されているが、その経路の全貌は明らかにされていない。遺伝学的手法だけでは明らかにできない生合成経路の解明には、懸濁培養細胞による標識ストリゴラクトンの取り込み・代謝実験が威力を発揮すると考えた。そこで、ストリゴラクトンを産出している培養細胞を理化学研究所バイオリソースセンターが維持している細胞株から探して、代謝実験に利用することにした。まず、シロイヌナズナおよびイネの培養細胞を選び、LC-MS/MS分析を行った結果、両細胞においてストリゴラクトンの生産が確認された。次いで、それらの培養細胞に重水素標識5-deoxystrigolを加えて培養したところ、orobancholへの変換が確認された。これらの培養細胞はストリゴラクトンの生合成および代謝経路の解明のための取り込み・代謝実験に有効な材料として利用できると考えられる。
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© 2011 日本植物生理学会
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