日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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新規インドール-3-酪酸耐性変異体の生理的、遺伝的性質の解析
*半澤 太輝Muday GloriaRahman Abidur
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p. 0859

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抄録
オーキシンは植物の生長や胚発生を制御する植物ホルモンの一種である。植物の体内で合成される主要な内性オーキシンにはインドール-3-酢酸(IAA)とインドール-3-酪酸(IBA)が存在し、これまでの研究によりIBAはIAAと同じ経路で植物の成長を制御すると考えられてきた。しかし、近年、IBAは他のオーキシンに比べて胚軸の伸長や側根の形成を促す働きが強いことが判明し、さらに、IBAの植物体内での輸送はIAA取り込みタンパク質やIAA排出タンパク質を介していないことが報告された。これは、IBAの輸送やシグナル伝達の経路が従来知られていたIAAのものとは異なるという可能性を示している。本研究では、IBA特異的な経路の解明を目的として、シロイヌナズナのEMS変異体群から新規IBA耐性変異体をスクリーニングし、その変異体を解析することによりIBA特異的な経路の解明を行なった。このスクリーニングにより、我々は根の生長阻害と側根形成においてはIBAによる抑制を示すが、他の植物ホルモンや生長抑制剤に対しては野生型と同じ反応を見せる三種類のIBA特異的な変異体を獲得した。また、これらの変異体は、三種類ともに根におけるIBAの輸送量が減少していた。このことから、これらの変異体の原因遺伝子がIBA特異的な輸送経路を制御している可能性が示唆された。
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© 2011 日本植物生理学会
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