日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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二次細胞壁形成に関与するタンパク質複合体の精製とその役割
*武藤 祐貴遠藤 暁詩加藤 晃山口 雅利出村 拓
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p. 0877

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抄録
木部を構成する道管細胞や繊維細胞などは肥厚した二次細胞壁を形成する。膜タンパク質をコードするTED6、TED7遺伝子は、道管細胞分化過程で発現する遺伝子として単離された。これらの遺伝子の発現を抑制することで二次細胞壁形成に異常が起こること、またTED6タンパク質は、セルロース合成酵素サブユニットの一つと複合体を形成することから、TED6、TED7タンパク質はセルロース合成酵素などとタンパク質複合体を形成することで、二次細胞壁形成に重要な役割を果たすと推測された。
そこで本研究では、二次細胞壁形成における分子機構を解明するために、TED6タンパク質と結合しているタンパク質複合体を精製し、その構成因子の同定を行った。TED6pro:TED6の下流にタグ(HA、MYC、またはYFP)を付加させたコンストラクトを作製し、道管分化のマスター因子VND7の過剰発現により異所的な道管分化を誘導できるシロイヌナズナ形質転換体に導入した。作出した形質転換体から、膜画分のタンパク質を抽出し、タグを認識する抗体を用いてタンパク質複合体を精製した。質量分析解析を行ったところ、様々なタンパク質が同定された。現在、複合体に含まれるタンパク質の候補について、BiFC解析によりTED6タンパク質との結合の確認を行なっており、これらの結果についても報告したい。
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© 2011 日本植物生理学会
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