日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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ウキクサカルスへの遺伝子導入と概日リズム特性の解析
*木村 泰裕伊藤ー三輪 久美子久保田 佐綾村中 智明小山 時隆
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p. 0884

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抄録
生物は一日の周期的環境変動を予測して適切に応答するための概日リズムを持っている。ウキクサ (Lemnaceae) は単子葉植物に属し、Lemna 属の L. gibbaL. paucicostata がそれぞれ長日植物と短日植物であることから、概日リズムやその光周性機構への関わりについて生理学的知見が蓄積している。我々のグループはパーティクルガンによる一過的遺伝子導入系とルシフェラーゼを用いた生物発光レポーター系を組み合わせたシステムにより、ウキクサの概日リズムの分子メカニズムを調べ、モデル生物におけるシステムとの相似性あるいは差異について明らかにしてきた。
さらに詳細な分子機構を解析するため、安定な形質転換体の作製を試みている。ウキクサに由来するカルスを用いて、アグロバクテリウムを介した遺伝子導入を試みたところ、カルスの細胞内での遺伝子発現が確認された。また、生物発光レポーター系を用いた解析から、カルスの概日リズムが個体とは異なることが示唆された。カルスへの遺伝子導入系の開発の現状と、その過程で明らかになってきたカルスのプロモーター活性特性および概日リズム特性について議論する。
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© 2011 日本植物生理学会
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