日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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シュート再生過程におけるESR1/ESR2の発現パターン解析
*松尾 巨樹牧野 美保坂野 弘美
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p. 0888

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抄録
シロイヌナズナENHANCER OF SHOOT REGENERATION (ESR) 1/ESR2はシュート再生において重要な役割を果たしていると考えられている。本研究では、ESR1::GFP、ESR2::CFP形質転換体を用いてシュート再生過程におけるESR1/ESR2の発現とシュート形成との関係を調べた。ESR1はシュート誘導培地で培養後1日目から発現し始めた一方で、ESR2は4日目から発現した。ESR1の発現はシュート形成に先立って始まり、シュート形成初期の間、発現し続けた。また、ESR1ESR2はSAM様構造で発現していた。このことはESR1がシュート分化のスイッチとして働き、ESR1ESR2がシュート形成初期のイベントに関わる可能性を示唆している。
また、ESR1の核移行を誘導したときのESR2の発現量を調べた。ESR1の核移行誘導は、ESR2の発現を約2.9倍上昇させた。しかしながら、ESR1によるESR2の発現誘導はシクロヘキシミドにより阻害された。このことから、ESR1はESR2の発現を制御しているが、それは間接的であることが示唆された。
また、ESR1/ESR2のタンパク質としての活性を調べるために、esr2変異体ではシュート再生効率が低下することから、その変異体においてESR2プロモーター制御下でESR1を発現させた。その結果についても報告する。
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© 2011 日本植物生理学会
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