オレオサイエンス
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総合論文
化粧品におけるスキンケア製剤の役割
岩井 秀隆
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2001 年 1 巻 3 号 p. 255-263,357

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抄録
化粧品における製剤の役割は皮膚の保湿にあり, 適切な感触に調整される。W/O型, O/W型が一般的であり, 使用感で使い分けされてきたが, 近年は様々な乳化製剤が開発され, その使い分けはあいまいになってきた。皮膚の保湿は単に水の供給によるのではなく, 天然保湿因子成分, 皮脂, セラミドをバランスよく角層に供給しなければならない。従って, これらを含有したスキンケア化粧料が必要となる。最近は皮膚科学研究の発展が著しく, 肌の悩みとされるしみやしわを予防したり改善する基剤が発見されてきている。重要なことは, これらの成分が皮膚内の適切な個所に供給されなければならない。またそれらの基剤には大気中で不安定な場合もある。乳化製剤はそれらのキャリヤーとしての役割を求められてきた。界面化学物性の利用や新規な機械を用いて多層エマルションやマイクロエマルションが調製され, 基剤の浸透性を向上させる期待が持たれている。
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© 2001 公益社団法人 日本油化学会
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