日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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イネ種子貯蔵タンパク質プロラミンの集積におけるCys-richプロラミンの作用
*長嶺 愛松坂 弘明川越 靖小川 雅広W. Okita Thomas熊丸 敏博
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p. 0906

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抄録
イネ種子において、アルコール可溶性貯蔵タンパク質、プロラミンはシステイン(Cys)残基を含まないCys-poorプロラミン(CysP13)とCys残基を含むCys-richプロラミン(CysR10、CysR14 、CysR16)の2種類に分類される。これらは小胞体内にプロテインボディ-I(PB-I)として集積する。本研究において、PB-Iの中心に存在するCysR10のPB-I形成における作用を明らかにするために当該遺伝子のRNAi形質転換体を作成した。このCysR10-RNAi形質転換体において、CysP10の特異的な減少とCysP13の集積量の減少並びにPB-Iの顕著な形成異常が認められた。一方、殆どのCysRプロラミン分子が減少するesp3変異体において、PB-Iの肥大化と構造の歪みが認められた。これらの結果から、CysR10の存在がPB-I内におけるプロラミンの規則的な配置に重要であることが示唆された。またCysR10-RNAi形質転換体とesp3変異体におけるPB-Iの形態が異なることから、CysR10-RNAi形質転換体におけるPB-Iの形成異常がCysR10以外のCysRプロラミンの存在に起因することが考えられる。
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© 2011 日本植物生理学会
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