日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
会議情報

セレン耐性 Arabidopsis thaliana 変異体の解析
*大野 美佐緒裏地 美杉森 泉中村 宜督村田 芳行
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 0969

詳細
抄録
セレン(Se)は、ヒトを含む動物にとって微量必須元素の1つである。しかし、その過剰摂取は中毒を引き起こす。その毒性のために環境中のセレン汚染は問題となる。セレン汚染土壌からセレンを除去する有効な方法の1つとして、植物を利用したセレン汚染環境浄化が注目されている。本研究では、すでにセレン酸耐性が報告されている硫酸輸送体SULTR1;2ノックアウト変異体であるsultr1;2とその野生株WSを材料として用い、セレン酸に対する耐性、セレン蓄積能、Se代謝関連遺伝子の発現等を精査した。
sultr1;2はWSよりもセレン酸に対して耐性であった。セレン酸存在下においてsultr1;2の総セレン量は、WSと同程度あり、また、有機セレン量の割合が増加する傾向が見られた。また、遺伝子発現解析の結果より、ジメチルセレナイド(Me2Se)への代謝を触媒する酵素の遺伝子発現が増加している傾向が見られた。それらの結果より、sultr1;2のセレン酸耐性機構は、Kassisらが結論する硫酸輸送体の欠損によるセレン酸の取り込みの減少よりも、植物体内でのセレン酸からジメチルセレナイドへの変換が早められたことによる無毒化と大気中への放出が原因である可能性が示唆された。
著者関連情報
© 2011 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top