日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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ファイトケミカルゲノミクス~イントロダクション:シロイヌナズナを越えて
*斉藤 和季
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p. S0047

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抄録
植物は光合成による自立的な物質生産性とその豊富な化学的多様性という特徴的な代謝機能を有する。植物は20万種を越えると推定されるいわゆる二次代謝成分(最近では特異的化学成分Specialized compoundsと呼ばれることも多い)を生産すると見積もられ、これらは医薬品、機能性食品成分、香料、工業原料などに利用されることで我々の生活を広く支えている。この化学的多様性の根源は植物ゲノムに内包されており、そのゲノム機能の基盤解明(ファイトケミカルゲノミクス)は植物科学研究の大きなテーマである。ファイトケミカルゲノミクスはシロイヌナズナをモデルとして開始されたが、昨今の次世代シークエンス解析技術、メタボローム解析技術の急速な発展に伴い、より広範な実用植物、作物、薬用植物に急速な展開が始まっている。本講演ではファイトケミカルゲノミクスを概観し、本シンポジウムのイントロダクションとする。
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© 2011 日本植物生理学会
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