抄録
東京家政大学内障害児通所支援施設「わかくさグループ」(以下「わかくさ」とする)の療育の変遷を,障害児を取り巻く時代背景とともに明らかにした.1966 年,跡見一子が学生と就学前の障害児の親子5 ~ 6組の集団保育を大学内で始めた.当時は療育機関が少なく,幼稚園や保育所の受け入れが難しい重度の知的障害の子どもが通室していた.現在は,約23組の親子が通室し,低年齢の1,2歳児も受け入れている.通室児は自閉症スペクトラム障害と,その疑いの児が多い.これは,健康診査の普及と,乳幼児期から適切なサポートが重要視されていること等が要因である.板橋区では児童発達支援事業所が不足しており,「わかくさ」は専門的な療育の待機幼児の受け皿ともなっている.療育日を増やし,集団保育と個別指導,水泳指導を行っている.大学内で始まった「わかくさ」の療育は,52年の時を経て,板橋区の療育の一端を担う独自の役割を果たしている.