抄録
神経発達症群の支援に関係する,スウェーデンのスクールドクターと日本の学校医の比較を中心に,スウェーデンにおける学校保健システムの情報も含めて報告した.スウェーデンにおけるスクールドクターはコミューン(市に相当)に雇用されており,多くはエフォート率100%で勤務しているが,日本における学校医は多くの場合開業医として勤務しており,学校医としてのエフォート率は数%に満たないと考えられる.このエフォート率の違いは,その役割を考えるうえでとても大きいと感じられた.また,スウェーデンでは学校内にイレーブヘルサと呼ばれる,児童生徒の健康課題ならびに発達にかかわる課題を検討するグループが必ず設置されており,毎週支援に関する検討会議が行われている.要請があればスクールドクターもこの会議に出席し,必要な場合は神経発達症群の診断までは行えるシステムである.このように診断までは学校内でスムーズに行えるのは,日本の学校保健システムではなかなか認められない部分であり,今後参考にする必要があろう.