小児の精神と神経
Online ISSN : 2434-1339
Print ISSN : 0559-9040
注意欠如・多動症(ADHD)児へのguanfacineの治療経験─guanfacine至適投与量の予測法についての考察─
小山 博史
著者情報
ジャーナル 認証あり

2023 年 62 巻 4 号 p. 323-339

詳細
抄録

Guanfacine extended release(GXR)の効果と至適投与量を知ることを目的とした.対象は2017年5月から2018 年4月までにGXRを使用したADHD48例(GXR単独使用24例,他剤との併用24例)について後方視的に分析した.全例に発達障害特性別評価法(Multi-dimensional Scale for PDD and ADHD:MSPA),ADHD-Rating Scale(RS)を聴取しGXR有効性と投与量に影響する因子を調査した結果,RSの多動衝動スコアとMSPAの多動性スコアが有効例で有意に高く,至適投与量とMSPA感覚スコアとの間に有意な負の相関関係を認め,Methylphenidate(MPH)併用で関係が消失した.GXRの有効性予測には,過去の多動性の有無が重要であり,MPHとの併用でGXR投与量が影響を受ける可能性が示唆された.

著者関連情報
© 2023 一般社団法人日本小児精神神経学会
前の記事 次の記事
feedback
Top