小児の精神と神経
Online ISSN : 2434-1339
Print ISSN : 0559-9040
自閉スペクトラム症にみられる解離性同一性障害の病理と治療
若山 和樹篠崎 志美杉山 登志郎山田 智子
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2023 年 63 巻 2 号 p. 129-137

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抄録
自閉スペクトラム症(ASD)の症例に併存した解離性同一性障害(DID)の症例を集積し比較検討した.その結果,深刻なトラウマ体験がみられないにも関わらずファンタジーの没頭の延長上にDIDが生じた症例が存在することが確認された.その一方で,重大なトラウマ的体験があり,30人から50人以上など,極めて多くの数の部分人格が認められる症例の存在に気づき,われわれはSTP (Status Tot Personalities)解離と命名した.症例の検討から,トラウマ被曝の重症化に伴いDIDは重症化することが明らかになった.ASDに併存したDIDは,ASD独自のまとまりに欠けた自己意識のあり方を基盤にして生じること,その基盤の上にさまざまなレベルのトラウマ体験が絡むことで,独自のDIDが作られるという可能性を検討した.
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© 2023 一般社団法人日本小児精神神経学会
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