小児の精神と神経
Online ISSN : 2434-1339
Print ISSN : 0559-9040
注意欠如多動症において母子の生活環境採点法が状態の改善に有効であった1例
小沢 浩井之上 寿美白井 育子福田 あゆみ塩田 睦記小沢 愉理
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キーワード: 生活環境採点法, 母子, ADHD, 虐待
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2023 年 63 巻 2 号 p. 139-144

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抄録
症例は8歳男児.診断はADHD.集団行動が苦手,ルールが守れないという主訴で来院.われわれが考案した生活環境採点法で評価を行ったところ,本児の①学校自己採点70点,②家自己採点50点,③自分自己採点70点であった.母親の④学校自己採点予想80点,⑤家自己採点予想30点,⑥自分自己採点予想60点,⑦母子育て点数40点,⑧父子育て協力点数90点であった.マイナスの理由は,①友だち入れてくれない.遊びを勝手に決められる.②パパにけられる.③(親の)いうこと聞かない.暴力振るっちゃう.すぐあきらめちゃう.であり,子ども家庭支援センターに通告.Guanfacine内服開始.両親が協力し,生活環境が改善.①学校自己採点95点,②家自己採点70点となった.母子における生活環境採点法は,母子の環境に対する気持ちを探り,マイナス理由を知ることができ,その対応を支援者・当事者がともに考えるためのツールとして有効であった.
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© 2023 一般社団法人日本小児精神神経学会
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