抄録
第130回日本小児精神神経学会の教育セミナーにおいて,2011年から実施されているプレイバックシアターを用いた「演劇によるいじめ防止授業」を紹介した.本授業は劇団プレイバッカーズにより小学校4年生を中心に実施されている.所要時間は90分で,いじめに関する体験を思い出す時間,児童が語った実体験を即興劇で再現し学級全体で共有する時間,いじめを止める行動を練習する時間から構成されている.児童が友人の体験を劇として見ることで,いやなことをされている人の気持ちがわかるようになること,傍観者であった児童がいじめを止める行動をとろうと思えるようになることを目的としている.授業実施後のアンケートでは,児童の95%以上が,「いじめられている友だちの気持ちがわかった」「友だちを助ける方法がわかった」と回答している.セミナーでは参加者が小学生役となり,授業のデモンストレーションも実施した.