小児の精神と神経
Online ISSN : 2434-1339
Print ISSN : 0559-9040
隗より始めるメンタライゼーション
池田 暁史
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2024 年 64 巻 2 号 p. 157-163

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抄録
本稿では,架空の思春期症例を基に治療者がメンタライズすることの意義を検討した.そのためにまず認知のメンタライジングと感情のメンタライジングとの差異を明確化し,医療者における専門家としての訓練が,感情のメンタライジングに負の影響を与えている可能性について論じた.次に,その結果として初診に臨む医療者において,持続的に維持することが困難な治療構造を設定したり,融通性を欠いた非治療的な設定に固執したりする可能性が高まることを示唆した.最後に,こうした事態を避けるために治療者がメンタライズされた感情状態(ある感情状態にいながらにして,自分のその感情に意識的であること)を目指すことの重要性を説き,それが初診時の治療方針の画定や,その後の治療プロセスにどのような作用をもたらすかを例示した.
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© 2024 一般社団法人日本小児精神神経学会
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